指定管理者制度について2006年12月04日 22時42分14秒

 昨日の東上沿線交流会の続きです。午前中の、大田先生の講演のあと、午後は指定管理者制度の分科会に助言者として参加しました。

 富士見市と坂戸市で、今年の4月から、指定管理者制度による運営が始まりました。今回は、この二つの自治体の具体的な取り組みを聞くことができ、大変参考になりました。

 10月に行われた全国学童保育研究集会でも、指定管理者制度の分科会で、全国のさまざまな自治体の様子を聞くことができました。

 自分たちの指定管理者としての3年間の経験と全国各地の報告を聞いて、感じたことを少し書いてみたいと思います。

 指定管理の問題を考えるにあたっても、まず最初に押さえておかなければならないことは、学童保育という事業は、今でもまだまだ非常に遅れた施策であるということです。全国連協を始めとして、全国各地のねばり強い運動によって、やっと法制化を実現しましたが、それでも、引き続き当事者である父母と指導員が協力して運動を続けていかなければ、なかなか施策の前進が実現しないというのが現実です。(だからこそ、その中で人間同志の深い関わり合いが生まれ、絆を深めることができるという、良さもあるのですが。)

 指定管理者制度が導入され、公設民営となり、多少施設が良くなったりすることもありますが、まだまだ遅れた施策であることに代わりはありません。この訳の分からない制度の導入により、経費削減などが押しつけられ、ただでさえ遅れた施策が、さらにグチャグチャになっているというのが今の状況ではないかと思います。

 こういうぐちゃぐちゃな状況だからこそ、運動を進める側が、きちんとした立場に立ち、しっかりとした目標を持って原則的に取り組んでいくということが極めて重要になっているのだと思います。

 私たちが一番大切にしなければならないこと何なのか。私たちが理想とする学童保育はどのような姿なのか。そういうことを、みんなできちんと論議をし、確認すること。これがまず大切だと思います。

 自分たちの運動をチェックする視点をいくつかあげてみます。

 ①私たちの運動が、子どものことを第一に考えたものとなっているかどうか。

 行政から、「お金がないから」とか「効率的運営のため経費削減を」と言われたときに、「市もお金がないからしょうがないか」と考えるのか、目の前にいる子ども達のことを考えて、「お金がなくても、未来を担う子ども達のためにこそお金を使うべきではないですか」と自信をもって言うことができるかどうか。

②子どもを真ん中にして、父母と指導委員が本当に協力し合っているのかどうか。

 親は、子どもを預けっぱなしとなっていないか。指導員は、子ども達のこと、保育のこと、より良い保育を実現するための自分たちの労働条件のことなどときちんと親に伝えているのかどうか。同じ方向を向いて、本当に親と指導員が協力し合って運動を進めることができているのか。

③NPO等が指定管理を受けている場合には、経営者として、子ども達のためにより良い保育をしていくということをまず最優先して経営を行っているのかどうか。

 市から、経費削減を提案されても、「こんなお金では、子ども達のために、良い保育を責任を持って行うことはできない」とはっきりと主張し、断固闘うことができるかどうか。良い保育を行うためにこそ、指導員の生活をきちんと守るという立場に立って、経営を行うことができるかどうか。

 どういう運営形態になったとしても、学童にとって大切なものは変わらないだろうと思います。

 子どもを真ん中に、親と指導員が、共にかたく手をつないで、より良い保育をめざし運動を進めていくということ。このことを、何よりも大切にしていくことが、今本当に求められているのだと思います。

コメント

_ PiPi ― 2007年02月05日 21時30分39秒

初めまして、埼玉 T学童の指導員をしています、PiPiと申します。
検索で 見つけました!
先日1/21の「指定管理者制度」の勉強会でのアドバイスありがとうございました。
突然の「指定管理」に あたふたしてますが、町も「?」状況で 4月施行ですが。。。。どうなるんでしょう?
協定書製作中です。
小池さんの書いておられる
<自分たちの運動をチェックする視点をいくつかあげてみます。>①②③ に 拍手&反省。。。。です!
これからも どうぞ 宜しくお願いします。

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