全国研に草加から383名が参加!2012年10月13日 23時29分20秒

10月6日(土)、7日(日)に、第47回全国学童保育研究集会が、埼玉県で開催されました。初日の全体会はさいたまスーパーアリーナで、二日目の分科会は草加市の獨協大学で開催されました。全国から、史上最高となる5,802名が参加しました。

埼玉県からは、3,131人、草加からはなんと、383人も参加しました。383人というのは、草加の学童に子どもを通わせている4世帯で1人以上が参加したという数字です。要員として参加していただいた方も多かったのですが、文句一つも言わずに、どの方も最後まできちんと仕事をして下さいました。心から感謝すると当時に、草加の学童の持っている底力というものを実感し、本当に嬉しく思いました。

初日は、草加は10時に集合し、受付の準備をしました。準備を始めて見ると足りないものがいろいろあってあたふたしましたが、無事設営が完了。スーパーアリーナの広い会場が本当に埋まるのか心配しましたが、開会の時間が近づくと、続々と参加者が集まり、見る間に座席が埋まっていくのには、感動しました。開会行事の剣玉ダンスから始まり、被災地からの報告、記念講演など、どれもとても素晴らしい内容でした。

二日目は、地元獨協大学での分科会。雨の中、朝7時集合し準備を行いました。たくさんの資料や机や椅子などが大量に搬入され、初日以上に大混乱しましたが、参加された実行委員や要員さん一人ひとりが、てきぱきと働き、なんとなく参加者を迎えられる形へと整っていきました。

私は、指定管理者制度の分科会に参加しましたが、今年は例年以上に参加者多かったように思います。本当は他の分科会にも参加したいとは思うのですが、年に一度、ここで再会できる全国の仲間がいるので、ここに出ないわけにはいけないなあと思って参加しています。早くから指定管理者制度が導入された草加での運動が、少しでも全国の運動の参考になればと思い毎回参加し、発言しています。

草加では、今回参加していただいた383人全員の思いを、きちんと感想文集などの形で残し、これからの活動に生かしていくことが出来ればと考えています。

来年の開催地は岡山県です。来年また、岡山で全国の仲間と会えることを楽しみにしています。

ノーベル賞を受けた山中教授の人柄、理念に感銘を受けました。2012年10月14日 22時40分21秒

京都大学の山中教授がiPS細胞の作成でノーベル賞を受賞しましたが、科学的な業績ということだけでなく、その人柄や理念というものにとても感銘を受けました。

一つは、山中教授が、自分の研究所で働いている人達がきちんと雇用され安心して働ける環境を作るということに心を砕いているということです。彼が働いているiPS細胞研究所で働く人のうち正規職員は1割、残りの9割の人が有期(非正規)雇用なのだそうです。山中教授は、そういう非正規の人達の頑張りがあったからこそ今回の受賞につながったと語っています。

ノーベル賞受賞前から、文科省は、今後10年間予算を大幅に増やすということになっているのだそうですが、できるだけ多くの人が正規職員として働けるようにしていきたいと語っていました。ノーベル賞を受賞したということも力にしながら、この予算がなくなる11年目以降も、研究所の人達が安定して仕事が出来るように今後とも予算の増額を求めていきたいとも述べていました。自分の研究のことだけではなく、何よりも、共に働く人達の雇用や暮らしのために、力を注いでる姿は素晴らしいと思いました。

もう一つは、自分たちが研究してきたことが一部の企業に独占されないように、公的機関である京都大学として、特許の申請に力を入れているということです。一握りの企業だけが特許を持っていたら、本当に必要な患者さんたちに安く最先端の医療を提供するということができなくなってしまいます。そういうことが起きないように、自分たちが積極的に特許を申請し、必要としている人誰もが自由に使えるようにしたいのだと述べていました。研究のための研究ではなく、実際に必要としている多くの人達のことまで考え、活動しているというのはとても立派なことだと思いました。

米兵による暴行事件、基地問題、オスプレイの配備強行~日本はアメリカの植民地か!2012年10月17日 21時33分30秒

16日に沖縄県で起きた米兵による女性暴行事件を聞いて、「またか!」と思い、怒りを覚えました。これまでも何回も繰り返され、そのたびに謝罪と綱紀の粛正が叫ばれているにもかかわらず、いっこうに減らない犯罪。もういい加減にしてくれという思いです。

今沖縄の基地には、イラクやアフガニスタンなどで、多くの戦死者をだし、自分自身も生きるか死ぬかの戦闘をしてきた兵士が戻ってきていると言います。沖縄では、自治体の真ん中に基地があり、そういう極限状況の中で戦闘を行ってきて極度に緊張状態にある兵士が、ごく普通に沖縄の街を歩いているわけです。こうした中で、米兵による犯罪が繰り返されています。

日米地位協定により、米兵の公務中の行為は、日本が裁判を行うことが出来ません。1978年の国会答弁で、安保条約締結以降、公務中の事件、事故が三万六千件に達しているがアメリカで裁判が行われたのは一件もないということが明らかになりました。公務外の事件、事故の場合には、日本側が裁くことになっていますが、日米に密約があり、特に重大なものでない限り、日本側は裁判権を放棄することになっているとも言います。

16年前に移設が合意されたにも係わらずいっこうに進展しない「普天間基地問題」、沖縄県民が強硬に反対しているにも係わらずオスプレイ配備が強行された問題、米兵犯罪の放置など、日本は一体アメリカの植民地なのかと憤りを感じざるを得ません。

湯浅誠さんの「ヒーローを待っていても世界は変わらない」を読んで。2012年10月21日 21時08分16秒

最近読んだ本の紹介です。「ヒーローを待っていても世界は変わらない」(湯浅誠著 朝日新聞社)

今の世の中に憤り、何とか変えていきたいと思っている全ての人に読んでもらいたい本です。

知っている人も多いと思いますが、湯浅誠さんは、「反貧困ネットワーク」事務局長やNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の理事などを務め、貧困問題の解決のために精力的に活動されている方です。

この本の冒頭で湯浅さん自身が述べていますが、この本は、「民主主義」についての本です。

今の社会は確かにいろんな問題を抱えています。それぞれにとって理不尽と感じることもたくさんあります。そうした中で、その問題を解決してくれる「ヒーロー」を求めるという社会的な土壌が育まれていくのにもそれなりの理由があります。ちょっと前では、「自民党をぶっ壊す」と公言して登場した小泉元首相、今で言えば、大坂市長の橋本徹さんに、世の中を変えてくれる「ヒーロー」としての役割が「期待」されていると言っていいでしょう。しかし、そうした「ヒーロー」に「期待」することでは、世界は変わらないし、逆に世の中を変えていく本当の力である「民主主義」そのものを掘り崩すことになってしまうということを、実に分かりやすく説明しています。

「『強いリーダーシップ』を発揮してくれるヒーローを待ち望む心理は、極めて面倒くさくて、うんざりして、その上疲れる民主主義というシステムを私たちが引き受けきれなくなっている証ではないか」と湯浅さんは指摘しています。「民主主義の『面倒くさくて、うんざりして、その上疲れる』面ははっきり言って引き受けたくない。そのときに出てくるのが『決めてくれ。ただし自分の思い通りに』という言い分」です。しかし、この願いは必ず裏切られます。なぜなら、「ある意見では多数派であっても、別の意見に関しては少数派だと言うことがありうる以上、それは誰にとっても望ましい願い」とはなり得ないからです。

「『民主主義』と『面倒くさくて、うんざりして、その上疲れる』という、切っても切れない二つのことを切り離そうとしてしまったこと」により、「その中身は空洞化し、形骸化していきます。」「『強いリーダーシップ』を発揮してくれるリーダーを待ち望む心理は、民主主義の空洞化・形骸化の結果」ではないかというのが湯浅さんの主張です。

次のような指摘も、「なるほど!」と納得しました。

「民主主義とは、高尚な理念の問題というよりはむしろ物質的な問題であり、その深まり具合は、時間と空間をそのためにどれくらい確保できるか、というきわめて即物的なことに比例するのではないか。」

仕事と生活に追われ、じっくり考え、面倒くさいいろんな意見の調整をするということを自ら放棄することにより、自分たち自身で民主主義を空洞化させてしまっているのではないかと、深く反省させられました。

この本の締めくくりに湯浅さんが書いた次の言葉を、深く心に刻みたいと思います。

ヒーローを待っていても、世界は変わらない。誰かを悪者に仕立て上げるだけでは、世界は良くならない。

ヒーローは私たち。なぜなら私たちが主権者だから。

私たちにできることはたくさんあります。それをやりましょう。

その積み重ねだけが社会を豊かにします。

是非とも多くの人に読んでもらいたい本です。