大田尭先生の話に感激!2006年12月03日 21時43分37秒

 今日は、東上沿線学童保育のつどいに参加してきました。
 
 指定管理者制度の分科会があり、その助言者を頼まれたからです。会場は、東上線若葉駅を降り、徒歩5分の所にある、女子栄養大学のとてもきれいなキャンパスでした。

 午前中は、大田尭先生の講演。いつもながら、わかりやすく元気の出るお話でした。とうてい88才とは思えない、情熱と若さあふれる講演でした。

 以下、印象に残った言葉を少し書いてみます。

 今の学力低下や不登校などの背景には、子どもの時の遊びの欠落がある。子どもの時に、内発性に基づいた生身の遊びを通して、感性をたくさん蓄えておくことが大切。この感性の蓄えがあってこそ、あとから身に付く学力が本物になる。

 こうした遊びの欠落が大きな問題として現れてくるのが思春期-自立のための時期。幼いときに、たっぷりとした仲間との交わり、ふれあいがないと自立は難しい。自分を映す鏡である仲間がたくさんいてこそ、自分という人間が何者であるかが漠然としてでも分かってくる。自分が何ものであるかがわからないいらだちを感じている若者も多い。

 大人が作っている社会状況が問題。現代は、市場経済によってもたらされた欲望肥大社会である。自らの欲望を満たすことが優先されると自己中心的な社会となる。自己中心的で一人ひとりがバラバラにされた社会である。

 こうした人間性の危機の時代の中で、どう人間を守り、連帯を取り戻していくのかということが大きな問題である。昔の共同体とは違う、新しい共同体、市民の連帯を作り出す必要がある。

 若いときに、臣民(天皇陛下の子ども)として育てられたので、いまだに臣民意識が抜けないときがある。「これから人類はどうなるんでしょう?」と聞かれ、つい「滅びるでしょう」と答えてしまった。せめて、「共に、考えていきましょう」と答えるべきであった。

 「(これから日本は)どうなるんでしょう?」というのは、全てをお上に委ねている臣民意識。「どうなるかではなく、どうするか」と考えるのが主権者としての考え方。

 新しい市民連帯を作り出すための3つのヒント
①お互いの多様性を認めあうこと。お互いが不完全な存在。不完全だからこそ、みんなで知恵を出し合って社会を作っていく。それが民主主義。

②生き物の特徴は、「自ら変わる」ということ。特に、人間は、自分の意思で、「その気で変わる」。

③命は関わりの中にある。支えられてお互いが生きている。



 私が文字で書くと、あまり迫力なくなってしまいますね。

 でも、
 「人と人の関わりを大切にして、新しい市民的連帯を作っていくことが大切」

 「どうなるかではなく、どうするかと考えるのが主権者としての考え方」

 こうした言葉は、心に深く刻んでおきたいと思います。

 午後の分科会の感想は、また今度。