最近見ているドラマ-「IS[アイエス]~男でも女でもない性~」2011年08月11日 22時54分05秒

日頃、テレビドラマはあまり見ないのですが、最近、テレビ東京でやっている「IS[アイエス]~男でも女でもない性~」というドラマを見ています。新聞に広告が載っていて、興味を持ったからです。

番組のホームページでは、「ISとは?」ということについて、以下のように説明しています。また、スペシャルというページでは、当事者の声も紹介しています。

インターセクシャル(インターセックス)の略称。性器、卵巣・精巣といった性腺、染色体等が男性型・女性型のどちらかに統一されていないか、または判別しにくい等の状態。

古くは半陰陽、両性具有などとも呼ばれました。ただ、「IS」「インターセックス」含め、これらの呼称は適切でないとする見解もあり、近年、医療分野では、こうした先天的疾患の総称として「性分化疾患」を用いるようになりました。

性分化疾患には先天性副腎皮質過形成症、クラインフェルター症候群、ターナー症候群等さまざまな疾患があり、その症状も個人によってまったく異なります。時には、結婚してから不妊で悩み、検査して初めて気づくようなケースもあります。また、その性自認も、男性寄りだったり、女性寄りだったり、中間だったり、あるいは男性寄りと女性寄りが時期によって変遷(「ゆらぎ」)したりと、一様ではありません。

性同一性障害は、身体的な性別がはっきりし、身体と自認する性が逆になるものであり、性分化疾患とは別のものです。

「半陰陽」、「両性具有」という言葉は知っていましたし、そういう人が実際にいるということも知っていましたが、2000人から4500人に一人生まれるとも書かれていて、思っていた以上に出生数が多いということにとても驚きました。

親にとっては認めたくないことで、本人がそれと自覚する前に手術をしてしまい、どちらかの性で育てることも多かったようです。また、上の説明にもあるように、本人もまわりも男性または女性と思い、結婚もしたけれど、不妊治療の中でIS(性分化疾患)であることがわかったなどの例もあるようです。日本では、まだまだ社会的な認知がなされておらず、無理解、差別、偏見に苦しんでいる人が多いようです。

原作は、2007年に第31回講談社漫画賞少女漫画部門を受賞した六花チヨさんの漫画「IS」(全17巻)です。私が勤務している学校の図書館に全巻があったので、原作を全て読みました。当事者からの念入りな取材を行い、きちんとした事実を踏まえながら、しかも、漫画として「おもしろく」読めるようにと悪戦苦闘(?)して書き上げた、すばらしい作品だと思いました。

主人公の「春(はる)」は、さまざまな差別や偏見に傷つきながらも、家族や理解してくれる人たちにも支えられ、パティシエという自分の夢に向かって、ひたむきに歩んでいきます。男性と女性という二つの性の間を揺れ動きながら、そのどちらでもないISとしての自分をありのままに受け入れ、自分らしく生きていく道を選んでいきます。

ドラマは、時間的な制約のためか原作の設定とは違っている部分もありますが、原作の精神をきちんと受け止めて作っていこうという姿勢が感じられます。若い出演者たちも熱演していて、好感が持てます。

番組ホームページにも掲げられている言葉ですが、こうしたドラマを通して、「人はひとりひとり、違っていいんだ」ということが、当たり前に受け入れられる社会となっていってほしいと思います。

コメント

_ aki ― 2011年09月06日 02時37分20秒

最近にしては素晴らしいドラマで毎週見ています。しかし、打ち切りが決まったみたいで残念です…。視聴率って一体なんなのでしょう?スポンサーの顔色伺って、本当に大切なものは何か…。悲しくなりました。

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