全国研で会いましょう!2011年10月17日 22時52分11秒

石川県で開催される、第46回全国学童保育研究集会が、いよいよ今週の土日と迫ってきました。

私は、今年も、指定管理者制度の分科会に参加します。今回は、世話人としての参加です。

全国研に、指定管理者制度の分科会が設置されたばかりの頃は、そもそも指定管理者制度とはいったいどんな制度なのか、どう対応したらいいのかと、戸惑うレポートや発言が多数を占めていたように思います。

ここ数年は、各地域での運動や全国研などでの論議を踏まえて、指定管理者制度に対する視点も定まり、指定管理者制度の導入を阻止したり、指定管理者制度の下でも改善を勝ち取っているといったレポートや発言が多くなってきたように思います。

今回は、助言者に弁護士の方もお招きしています。これまで以上に充実した論議が行われ、明日への確信が深まるような分科会となることを期待しています。

全国各地でがんばっていらっしゃる指導員や保護者の方と、再会できることを楽しみにしています。

たくさんのことが学べた「全国学童保育研究集会」でした!2011年10月29日 23時11分22秒

今週は、来年度予算に向けた課長との懇談、労組を中心とした指導員との話し合い、拡大理事会などがあり、大変忙しい一週間でした。

ということでちょっと遅れてしまいましたが、先週の土日に石川県で行われた「全国学童保育研究集会」に参加しての感想を少し書いてみたいと思います。草加からは、私を含め約40人が参加しました。

まず最初の歓迎行事から、とてもすばらしいものでした。ステージ、通路、2階席を全て使い、会場全体から参加者を歓迎してくれました。和太鼓、一輪車、剣玉の技の披露、ジャグリング、そして最後に全体合唱と、たくさんの子ども達と指導員が元気いっぱいに躍動し、見ていてこちらも元気になるパフォーマンスでした。約400人の子ども達と指導員が参加したということですが、一人ひとりの子ども達が一生懸命に、そして本当に楽しそうに演技をしていました。子ども達の元気な姿と笑顔は本当にいいなあと、改めて思いました。

記念講演の金森俊郎先生のお話も心を打つものでした。長い間、子どもの目線に立って子どもと共に歩んでこられた先生の講演は、ユーモアと愛情にあふれたとても素敵なお話でした。

金森先生の教え子(小4)が、先生のことを、直球だけでなく、カーブでもフォークでもどんなボールでもちゃんと受け止めてくれる、もしとんでもないボールを投げても、体で受け止めてくれる名キャッチャーと表現したそうです。教師や指導員は、子どもの言葉や行動をきちんと受け止めることのできる良いキャッチャーにならなければならないというのは、私自身の体験に照らしても、本当にその通りだと思いました。

みんながみんなストレートのボールしか投げないのであれば、教師や指導員にとってこんなに楽なことはありません。しかし、実際には、子ども達は実にさまざまなボールを投げてきます。私自身も、生徒からどんなボールを投げつけられても、全力で体で受け止めることのできる教師でありたいと改めて思いました。

もう一つ、先生の言葉で特に印象に残っているのは、一筋縄ではいかない困難な生徒だと思っていた子あっても、その子どもや親が抱えている生活の困難さや辛さにふれ、改めてその子を見たとき、とても「いとおしい存在」として感じることができたということです。

一人ひとりの子どもを、本当に心の底から「いとおしい存在」として感じることができるかどうかは、教師や指導員の資質に関わる根源的な問題ではないかと思います。表面的な言動や行動だけを見れば、本当に「憎たらしい存在」としか思えないような子もたしかにいます。でも、子ども達の表面的な言動や行動だけでなく、その生活全体をきちんととらえ、そういう言動や行動に出る子どもの心に寄り添いながら、その子の姿をきちんと捉えていくことが大切なのだと思います。「いとおしい存在」として、一人ひとりの子どもを慈しむ心を決して忘れないようにしたいと思いました。

その後の、東日本大震災の被災地(岩手、宮城、福島)からの特別報告は、衝撃的でした。多くの犠牲者を出しただけでなく、生きのびることができた子ども達、指導員にとっても、その精神的なショックは大きく、復興のための道のりはまだまだ遠いし、全国からのさらなる支援が必要だと痛感しました。元気っ子クラブとしても、引き続き支援のための義援金を呼びかけていきたいと思います。

夜は、翌日の分科会の打ち合わせ会議のあと、常任理事と指導員1年目の人たちを中心とした指導員さんたちと軽く飲みました。これからの元気っ子クラブを担う、新しい指導員さんたちが、明るくとても楽しそうにしている姿を見て、とても心強く思いました。

分科会については、また、次回に報告します。

9年ぶりに草加市自治研究集会が開催されました。2011年10月31日 00時06分10秒

今日は、9年ぶりに開催された「草加市自治研究集会」に参加してきました。

草加市は、他の地域に比べても、市民の運動が盛んなところではないかと思います。しかし、市の職員(あるいは職員組合)とともに、草加のまちづくりを進めていくという点では、この間非常に弱くなっていたと思います。市の職員(職員組合)と共に、草加市のまちづくりを考えていくために、ぜひとも「自治研究集会」を再開してほしいと願っていましたが、今回いいろんな人の協力で、再開することができて本当に良かったと思います。

午前中の全体会は、「いま再び自治体と公共部門の役割を考える」と題して、二宮厚美氏(神戸大学)から講演をいただきました。今話題となっている「TPP」、「地域主権改革」、「消費税増税」の根っこには、財界が主張するグローバル戦略があるということが、非常によく分かりました。日本を今後どのような方向に導いていくのか、今本当に大切な時期にあるということを実感しました。

午後は、「みんなで子育て~子どもにやさしいまちづくりって?!~」と題した分科会に、司会者として参加しました。学童の指導員、保護者、保育園の先生などを中心に27名が参加しました。レポートは、獨協大学地域と子どもリーガルセンターの三木さん、保育園父母会連合会の浜薗さん、指導員労組の荻原さんの3人でした。時間がなく、十分に深めきることはできませんでしたが、いろんな立場の人が集まり、意見を交換することができとても有意義であったと思います。

来年度以降も、継続して、自治研集会が開催されていくことを期待します。元気っ子としても、できる限りの協力を行っていきたいと思います。

県との交渉に参加してきました。2011年10月31日 23時00分56秒

今日の午前中は、「来年度県予算等についての埼玉県福祉部・教育局との話し合い」に参加してきました。

県側の出席者は、福祉部から5名、教育局から5名で合計10名でした。学童側の参加者は、約180名だったということです。

県側の回答は、簡単に言うと、学童数が増えているがその増加分についてはきちんと予算を確保したい、それ以外の項目については現在1000億円を超える歳入不足があり、なかなか実現が難しい、というものでした。

4人の県議が来賓として出席されていましたが、どの方からも、学童保育のさらなる前進のために、前向きに取り組んでいくという姿勢が感じられ、とても嬉しく思いました。

以下は、私が指定管理者制度に関連して発言した原稿です。

NPO法人草加・元気っ子クラブの代表をしている小池と申します。指定管理者制度に関連して発言いたします。

草加では、元々は、ほとんどが父母会経営で運営が行われてきていましたが、学童保育の整備を進めるということで、市からの依頼を受けて、NPO法人を作り、民営学童の統一運営を行ってきました。現在は、市から委託を受けて17学童の運営を行っています。そのうち、5箇所が指定管理者制度の下の運営となっています。

最初に指定を受けたのが、2004年4月ですので今年で8年目になります。法が改正されたばかりの時でしたので、担当課も私達もよく分からないままに始まってしまったという感じでした。

これまでに合計5回の公募による選考、プレゼンテーションを行ってきました。5回の公募のうち、一番少ないときでも2団体、一番多いときには、6団体で競争を行いました。6団体のうち半分が株式会社でした。これまでに、すべて1位で指定を受けることができましたが、この6団体で競争を行った際には、2位であった団体との差が、1000点満点で、わずか20点の差という大変に厳しい選考を経験してきました。 ・昨年末に、総務省からも通達が出され、「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときに活用できる制度であ」るとか、「単なる価格競争による入札とは異なるものである」という指摘がなされています。こうした指摘やこの間の経験から、草加市においてもいろいろと見直しが行われ、現在では、学童保育に関しては、公募ではなくて随意でという流れになっています。

今日は、この8年間の経験の中で感じたことを3点お話ししたいと思います。

一つ目は、指定管理者制度の一番の問題は、期間の定めがあるということです。学童保育は、指導員と子ども達、保護者との信頼関係があってこそ成り立つものです。3年とか5年とかいう期限で切られては、継続して安定的な信頼関係を築いていくことは困難です。目の前にいるこの子ども達と、来年も、今年と同じように保育をできるかどうか不安に思いながら保育をしている指導員がたくさんいます。また、もし実際に、運営者が変わるような事態となったときには、3月31日と4月1日で、運営ががらっと変わってしまうわけですから、子ども達に与える影響はとても深刻です。

二つ目は、公募して競争しても、子ども達にとってよりよい保育を行う団体が選ばれる保障がないということです。短い時間のプレゼンや資料で、保育の質や中身、指導員と子ども達との信頼関係を判断することは不可能です。また、選考委員が、学童保育や子どもの発達について専門的な知識を持っている方とも限りません。良い保育は、継続して安定的な関係を持つことができて始めて成り立つものです。そういう安定的な関係を断ち切って、プレゼンや資料だけで学童保育に関わる指定管理者を選ぶというのは、全くナンセンスな話だと思います。

三つ目は、国としての制度がきちんとしていない施策である学童保育に、この制度が持ち込まれていることの意味を考える必要があるということです。もちろん埼玉県には本当に一生懸命やって頂いていると感謝していますが、指導員の資格制度もなく、国としての制度が未確立で、まだまだ父母会経営でやっているところもたくさんあるわけです。学童保育が大規模化し、高学年児童がなかなか入ることができず、学童保育の低年齢化が進んでいる中で、保護者もどんどん変わっていきます。学童に入ったばかりの保護者が苦労しながらやっとの思いで学童保育を支え運営しているところもたくさんあります。ただでさえ運営が不安定で、やっとの思いで学童を運営しているこうした所に、あえて指定管理者制度を持ち込むことで、NPO法人格を取らなくちゃいけないのかとか、余計な心配や不安を持ち込んでいるというのが現状ではないかと思います。

父母会組織がしっかりとしていて、指定管理について自治体もきちんと理解している所では、それほど大きな問題が出ていないのかもしれませんが、自治体自身がよく分かっていなくて、よく分からないままにとにかく指定管理者制度を導入するしかないんですみたいな地域もあって、そういう所は、父母会も本当に翻弄されているというのが実情ではないかと思います。

県にお願いしたいのは、ひとつは、国に対して、指定管理者制度を見直すべきである、少なくとも継続性や専門性が問われるような分野に導入すべきではないと働きかけて欲しいということです。もう一つは、法改正が実現できないもとでも、県として、指定管理者制度は学童保育とは相容れないものであることを表明し、各自治体に、子どものことを最優先に考えて、現場の理解が得られない中で無理に制度を導入することが絶対にないように、強く働きかけて頂ければと思っています。

よろしくお願いいたします。