9年ぶりに草加市自治研究集会が開催されました。2011年10月31日 00時06分10秒

今日は、9年ぶりに開催された「草加市自治研究集会」に参加してきました。

草加市は、他の地域に比べても、市民の運動が盛んなところではないかと思います。しかし、市の職員(あるいは職員組合)とともに、草加のまちづくりを進めていくという点では、この間非常に弱くなっていたと思います。市の職員(職員組合)と共に、草加市のまちづくりを考えていくために、ぜひとも「自治研究集会」を再開してほしいと願っていましたが、今回いいろんな人の協力で、再開することができて本当に良かったと思います。

午前中の全体会は、「いま再び自治体と公共部門の役割を考える」と題して、二宮厚美氏(神戸大学)から講演をいただきました。今話題となっている「TPP」、「地域主権改革」、「消費税増税」の根っこには、財界が主張するグローバル戦略があるということが、非常によく分かりました。日本を今後どのような方向に導いていくのか、今本当に大切な時期にあるということを実感しました。

午後は、「みんなで子育て~子どもにやさしいまちづくりって?!~」と題した分科会に、司会者として参加しました。学童の指導員、保護者、保育園の先生などを中心に27名が参加しました。レポートは、獨協大学地域と子どもリーガルセンターの三木さん、保育園父母会連合会の浜薗さん、指導員労組の荻原さんの3人でした。時間がなく、十分に深めきることはできませんでしたが、いろんな立場の人が集まり、意見を交換することができとても有意義であったと思います。

来年度以降も、継続して、自治研集会が開催されていくことを期待します。元気っ子としても、できる限りの協力を行っていきたいと思います。

県との交渉に参加してきました。2011年10月31日 23時00分56秒

今日の午前中は、「来年度県予算等についての埼玉県福祉部・教育局との話し合い」に参加してきました。

県側の出席者は、福祉部から5名、教育局から5名で合計10名でした。学童側の参加者は、約180名だったということです。

県側の回答は、簡単に言うと、学童数が増えているがその増加分についてはきちんと予算を確保したい、それ以外の項目については現在1000億円を超える歳入不足があり、なかなか実現が難しい、というものでした。

4人の県議が来賓として出席されていましたが、どの方からも、学童保育のさらなる前進のために、前向きに取り組んでいくという姿勢が感じられ、とても嬉しく思いました。

以下は、私が指定管理者制度に関連して発言した原稿です。

NPO法人草加・元気っ子クラブの代表をしている小池と申します。指定管理者制度に関連して発言いたします。

草加では、元々は、ほとんどが父母会経営で運営が行われてきていましたが、学童保育の整備を進めるということで、市からの依頼を受けて、NPO法人を作り、民営学童の統一運営を行ってきました。現在は、市から委託を受けて17学童の運営を行っています。そのうち、5箇所が指定管理者制度の下の運営となっています。

最初に指定を受けたのが、2004年4月ですので今年で8年目になります。法が改正されたばかりの時でしたので、担当課も私達もよく分からないままに始まってしまったという感じでした。

これまでに合計5回の公募による選考、プレゼンテーションを行ってきました。5回の公募のうち、一番少ないときでも2団体、一番多いときには、6団体で競争を行いました。6団体のうち半分が株式会社でした。これまでに、すべて1位で指定を受けることができましたが、この6団体で競争を行った際には、2位であった団体との差が、1000点満点で、わずか20点の差という大変に厳しい選考を経験してきました。 ・昨年末に、総務省からも通達が出され、「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときに活用できる制度であ」るとか、「単なる価格競争による入札とは異なるものである」という指摘がなされています。こうした指摘やこの間の経験から、草加市においてもいろいろと見直しが行われ、現在では、学童保育に関しては、公募ではなくて随意でという流れになっています。

今日は、この8年間の経験の中で感じたことを3点お話ししたいと思います。

一つ目は、指定管理者制度の一番の問題は、期間の定めがあるということです。学童保育は、指導員と子ども達、保護者との信頼関係があってこそ成り立つものです。3年とか5年とかいう期限で切られては、継続して安定的な信頼関係を築いていくことは困難です。目の前にいるこの子ども達と、来年も、今年と同じように保育をできるかどうか不安に思いながら保育をしている指導員がたくさんいます。また、もし実際に、運営者が変わるような事態となったときには、3月31日と4月1日で、運営ががらっと変わってしまうわけですから、子ども達に与える影響はとても深刻です。

二つ目は、公募して競争しても、子ども達にとってよりよい保育を行う団体が選ばれる保障がないということです。短い時間のプレゼンや資料で、保育の質や中身、指導員と子ども達との信頼関係を判断することは不可能です。また、選考委員が、学童保育や子どもの発達について専門的な知識を持っている方とも限りません。良い保育は、継続して安定的な関係を持つことができて始めて成り立つものです。そういう安定的な関係を断ち切って、プレゼンや資料だけで学童保育に関わる指定管理者を選ぶというのは、全くナンセンスな話だと思います。

三つ目は、国としての制度がきちんとしていない施策である学童保育に、この制度が持ち込まれていることの意味を考える必要があるということです。もちろん埼玉県には本当に一生懸命やって頂いていると感謝していますが、指導員の資格制度もなく、国としての制度が未確立で、まだまだ父母会経営でやっているところもたくさんあるわけです。学童保育が大規模化し、高学年児童がなかなか入ることができず、学童保育の低年齢化が進んでいる中で、保護者もどんどん変わっていきます。学童に入ったばかりの保護者が苦労しながらやっとの思いで学童保育を支え運営しているところもたくさんあります。ただでさえ運営が不安定で、やっとの思いで学童を運営しているこうした所に、あえて指定管理者制度を持ち込むことで、NPO法人格を取らなくちゃいけないのかとか、余計な心配や不安を持ち込んでいるというのが現状ではないかと思います。

父母会組織がしっかりとしていて、指定管理について自治体もきちんと理解している所では、それほど大きな問題が出ていないのかもしれませんが、自治体自身がよく分かっていなくて、よく分からないままにとにかく指定管理者制度を導入するしかないんですみたいな地域もあって、そういう所は、父母会も本当に翻弄されているというのが実情ではないかと思います。

県にお願いしたいのは、ひとつは、国に対して、指定管理者制度を見直すべきである、少なくとも継続性や専門性が問われるような分野に導入すべきではないと働きかけて欲しいということです。もう一つは、法改正が実現できないもとでも、県として、指定管理者制度は学童保育とは相容れないものであることを表明し、各自治体に、子どものことを最優先に考えて、現場の理解が得られない中で無理に制度を導入することが絶対にないように、強く働きかけて頂ければと思っています。

よろしくお願いいたします。