民主党が大勝-「国民生活第一」の政治を期待します。2009年08月31日 21時37分41秒

衆議院選挙が終わり、予想通りと言うべきか、民主党が大勝しました。前回衆議院選挙(2005年)では、自民党が296議席、民主党が113議席でしたが、今回選挙では、民主党が308議席、自民党が119議席と、完全に逆転しました。自民から民主へと議席がひっくり返る様を、ある新聞は、「まるでオセロゲームのよう」と形容しました。オセロゲームで、角をとると一気に色が変わってしまうように、前回「郵政選挙」で自民党が圧勝し獲得した議席が、今回はあっという間に民主に変わりました。

こうした急激な変化をもたらす原因は、前にも指摘したように、小選挙区が中心の現在の選挙制度にあります。前回の選挙の小選挙区は、自民党が47.8%の得票で、73%の議席を独占しました。(民主党は36.4%の得票で、17%の議席)今回選挙での党派別の得票率は、まだ新聞などには載っていませんが、今日の夕方のNHKの番組で、自民党の細田幹事長が、「民主党が大勝と言っているが、得票数から見れば、39対47で、それほど大きな違いはない」というようなことを言っていました。この数字を当てはめてみると、今回の小選挙区は、民主党が47%の得票で73.6%の議席を独占し、自民党は39%の得票で21.3%の議席を得たということになります。前にも書きましたが、この制度は、政権交代は起こりやすいが民意は反映しない、非民主的な選挙制度だということが改めて分かります。

ところで、この細田幹事長の言葉は笑えます。こういう非民主的な制度を作ったのは自分たち自身だし、この選挙制度のおかげで前回は大勝できたのですから。今回大敗北を喫したからと言って、自民党が言うセリフではありません。

こういう選挙制度の問題はありつつも、今回の選挙で自民党が第一党から転落し、政権交代が実現したということは、歓迎すべきことだと思います。この4年間の自公政権は、社会保障費を毎年2200億円も削減してきたことなどに見られるように、弱者に対して非常に冷たい政治であったと思います。経済的な格差も広がり、「貧困」問題がたいへんに深刻となりました。「まじめに働く国民の立場に立った政治をしてほしい」という圧倒的多数の国民の声が、今回の政権交代を実現したのだと思います。「一人ひとりが動けば政治は変えられる」ということを、私たちの確信にすべきです。

どんな政党であれ、国民の声に背を向ける政治には未来はないということを示したということも、今回の選挙の大きな意義だと思います。今回選挙の民主党マニフェストの表紙には、「国民の生活が第一」と書いてありました。議席の数におごることなく、謙虚に国民の声に耳を傾け、本当にこの言葉通りの政治をぶれることなく実現して行くことを心から期待したいと思います。