国のガイドライン&大規模学童解消の取り組み2007年09月09日 22時26分23秒

きのう、今日と「第23回埼玉県学童保育合宿研究集会」に参加してきました。

きのうは、全体会が開かれ、国のガイドライン作りの動きについて、学習しました。全国連協の真田祐さんから講演をしていただき、そのあと、指導員の立場からさいたま市の指導員片山恵子さんから発言していただきました。

学童保育は、これまで、国としての基準がなく、「地域の実情に応じて柔軟に」ということで、ある意味では「何でもアリ」というような状況でした。家庭に代わり、子ども達の放課後の生活を豊かに保障していくという私たちの理想からは、ほど遠いような学童も、地域によっては放置されてきました。「学童保育とは何か」ということを、きちんと国として示していくということは、こうした状況を改善していくための大きな力となります。もちろんガイドラインが出来たからそれで終わりということではありません。このガイドラインを足がかりとして、さらに理想を高く掲げて、地道な運動を続けていくことが大切です。

二日目の今日は、分科会でした。「大規模学童保育の分離増設を進める」という分科会で、草加の2クラス制や大規模化・待機児解消に向けた取り組みなどをレポート発表しました。このレポートは、以下をクリックすると見ることが出来ます。

「大規模化・待機児解消に向けて」

草加以外では、上尾のレポート発表と坂戸の事例報告がありました。

上尾で興味深かったのが、本年10月1日から、2カ所の学童保育で行われる「民営放課後児童クラブ補助事業」(以下「民営補助事業」というものです。上尾では、現在20学童を、NPO法人あげお学童クラブの会が、市から一括委託を受けて運営を行っています。これは、「放課後児童健全育成事業」として行われているものですが、上記の「民営補助事業」は、これとは別に行われるものです。今行っている学童保育所とは別に、民間(あげお学童クラブの会)が、自分たちで施設を探し、学童保育を運営することに対して補助を行うというものです。

20カ所で行っている本体の学童保育事業と別に、自分たちで施設を探し、民設民営の学童保育を、補助事業として行うということです。民間の施設というのは、学童専用に作られた施設ではないでしょうから、そうした施設に、今在籍している児童の一部を無理に振り分けていくというのは、ちょっと「?」です。きちんとした分離分割、複数学童の設置に向けた過渡的な形態ということであれば納得できなくはありませんが、そうした見通しがはっきりしない中では、ちょっと賛成しかねる事業だと思いました。

ただ、草加の一部の父母会が待機児対策として行っている自主保育に対して、こういう補助を行うということであれば、たいへん有効なのではないかと思いました。こういう観点では、検討の余地のあるシステムだと思いました。

坂戸の事例発表は、民設民営で行っている学童に対し、大規模対策として、市が広い建物を建設するというものです。8300万円もかけて、1157㎡の広さの土地に、340㎡の建物、400㎡の公園部分、駐車場(3~4台)、駐輪場を建設するというものです。定員は120名程度となるそうです。莫大なお金を掛けるわけですが、図面を見ると、1学童で2クラスのレイアウトでした。そうすると1クラスが60名となってしまいますので、保育集団としては多すぎると思います。また、1学童として考えているようなので、父母会規模としてもどうなのかなと思ってしまいました。民設から公設になることで、指定管理者制度が導入されるというのも心配なところです。

複数学童の設置が難しい所では、今後、各地で大規模学童の建設が行われていくことだろうと思います。その際、保育集団をできるだけ小さくしていくために、どのようなレイアウトの施設をつくっていったらいいのかということについて、もっと集団的に検討していく必要があるのではないかと思います。いろんな地域の取り組みを持ち寄って検討していくということなども必要ではないかと思います。

いろんな地域で、様々な取り組みがなされているのを知ることができて、とても有意義な研究会でした。

コメント

_ あげおのれぽーたー ― 2007年09月11日 21時49分31秒

こんにちは。合宿研のあげおのれぽーたーです。
手厳しいご意見ありがとうございます。
私自身も、本来、施設は行政の責任で設置すべきものと考えています(以前、上尾では、専用施設にこだわり、空き教室利用も反対していたこともあります)。
施策的には、あまり良い手段ではないことも認識しております(実際に、大規模学童の保護者から、公設にこだわるべきだ、という意見もありました)。が、大規模学童の子どもたちや待機になる子どもたちを一刻も早く救わなければならなかったこともご理解下さい。
 将来的には、民設から公設に移設することが必要と考えていますが、その活動は次の世代の方々に委ねたいと思います(無責任な言い方かもしれませんが、現状を考えるとこれで精一杯です)。
どうも失礼いたしました。

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