学童の大規模化は、さらに進行する!2007年06月17日 18時52分43秒

大規模化の解消のために、行政などに、施設の増設や新設を求めていくときに、時々言われることがあります。それは、次のようなものです。

いまは、子どもの数が増えているけれども、長期的に見れば子どもの数が減っていく。長期的に見て、施設の増設や新設が、本当に必要なのかどうか、慎重に考えていかなければならない。

一見もっともそうな意見にも思えますが、施設の増設や新設に真剣に取り組まない言い訳のようにも思われます。学童保育に通う子どもたちの数は、今後も増え続けるのかどうか、具体的なデータに基づいて、きちんと検証していくことが必要です。

先日、こども未来財団が発表した「放課後児童クラブにおけるガイドラインに関する調査研究」のことを紹介しましたが、この「調査研究」の中では、現在の子どもや家庭をめぐる状況について、具体的な数字をあげて分析を行っています。この「調査研究」で述べていることなどを参考にしながら、学童を利用する児童数の増大について、少し書いてみます。

●女性の就業人口は、今後も増加が見込まれます。

総務省の「労働力調査」によれば、4~6歳児(末子)を持つ女性の就業率が約50%、7~9歳児で約60%、10~12歳児で約70%となっています。小学校低学年を持つ女性の中でも、働く女性の方が多数となっています。

女性が働くことに対する意識も大きく変わってきています。平成16年の、内閣府の調査では、以下のような結果が出ています。

「子どもができてもずっと職業を続ける方がよい」という人

  1992年-23.4% → 2004年-40.4%

「子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再び就業」という人

  1992年-42.3% → 2004年-34.9%

結婚、出産しても、女性が仕事を続けるということが、当たり前になってきていることがわかります。これは、2004年の数字ですから、現在では、もっと意識が変わってきているかもしれません。

●雇用形態や就業時間の多様化が進みつつあります。

上記の「調査研究」で、詳しく述べていますが、ここではいくつかの例だけをあげます。

6歳児歳児(末子)の母親の就業形態(H17)は、以下のようになっています。

正規-15.4%  パート-28.8%  その他雇用-3.8%

自営-6.3% その他-4.3% 無業-41.4%

これが、9~11歳児(末子)の母親では、次のようになります。

正規-19.8%  パート-35.8%  その他雇用-4.8%

自営-8.3% その他-4.3% 無業-26.3%

すべての雇用形態において、就業者が増えています。特に9~11歳では、正規雇用が約2割にまで増えています。

母親の就業時間を見ると、末子が6~8歳の母親でも、8~10時間働いている人が33.5%、10時間以上という人も5.2%います。

●家庭の養育基盤の低下が進んでいます。

核家族化がより一層進行し、一人親世帯も増加しています。

核家族      全国-73.4%   草加市-85.9%

母子・父子家庭 全国- 6.3% 草加市- 8.1%

特に、母子・父子家庭においては、保育園や学童保育がなければ、子育てと就労を両立させることが困難であり、学童保育のニーズが極めて高い層であると言えます。

  以上から、次のようなことが言えるのではないかと思います。

◆女性の就労人口の増加に伴い、学童保育のニーズは引き続き増加する。

◆核家族化の進行、保護者の雇用形態や就業時間等の多様化などにより、子育てのために、学童保育など家庭外の社会的な協力を必要としている家庭が増えている。

◆学童利用者が増加していると同時に、その中で、一人親世帯等の利用率が高まっている。

現段階でも、草加市の学童保育の大規模化の状況は、県内でも全国でもトップクラス(あまり誇れることではありません!)にあります。上で述べたように、女性の就労状況や核家族化の進行等の状況を考えると、さらに学童への入室希望者が増えていくことは、火を見るより明らかなことではないでしょうか。

草加における大規模化の解消は、もう、待ったなしの課題となっています。

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