一人ひとりを受け止める~高校でも同じ2007年04月22日 22時04分57秒

新年度が始まり、学童でも新しい子ども達がたくさん入ってきました。親たちも、新しい年度をむかえ忙しく過ごしていることと思います。

私は、元気っ子クラブの体表理事をやっていますが、本業は、県立高校の教員です。今年の3月に卒業生を出したばかりなので、今年はちょっと休めるかなと思っていましたが、今年の4月から、また新1年生の担任となり、あわただしい日々を過ごしています。

小学生の変化も大きいと思いますが、高校3年間の変化も、ものすごく大きいものがあります。特に、2年生から3年生にかけての変化は、目を見張るほどです。進路のことを意識し始め、卒業後のことを真剣に考えるようになると、表情も大人びてきます。1、2年生の頃は、ささいなことで先生方にくってかかっていたような生徒でも、落ちついて一人の大人としてきちんと話が出来るようになってきます。

今年の私のクラスは、男子は少しおとなしめ、女子は元気いっぱいです。女子は、何でこんなに早く仲良くなるんだと思うくらいに、すぐに仲良くなってしまいました。かわいそうに男子は、休み時間になると、元気いっぱいの女子の中で、小さくなっています。3年間で、この子達がどんな風に変わっていくか、とても楽しみです。

学童保育は、一人ひとりの子どもをきちんと受け止めるということを大切にしていますが、高校でもそれは同じだなあと思います。家庭的にいろんな問題を抱えている子もいますし、勉強ができないと思って自信を失ってしまっている子、中学時代にいじめにあって、高校でもまたいじめられるのではないかと心配している子など、それぞれが、いろんな問題を抱えて高校にやってきます。

 

問題が、あまりに大きい場合もあって、どこまで受け止めきれるかという思いもあります。しかし、できる限り一人ひとりの気持ちにより添い、きちんと受け止めようという努力をしないと、なかなか自信をもって自立していけるようにはならないのではないかと思っています。

また、最近では、親の気持ちをきちんと受け止めてあげるということも必要になってきています。学校として、要求を伝えるだけではなかなか、うまくいかなくなってきています。これも、学童の現場と同じかなあと思ってしまいます。

残念ながら、せっかく入った高校をやめてしまう子も少なくはありません。この子達が、全員無事高校を卒業し、自分の進路を決めていってほしいと願わずにはいられません。

草加市に、「子どもの権利に関する条例」制定を!2007年04月22日 22時52分47秒

草加市には、「草加市みんなでまちづくり自治基本条例」というものがあり、この条例に基づいて「みんなでまちづくり会議」が開催されています。

これまでは、公園や親水緑道計画など、どちらかと言えばハードに関わる問題が論議されてきました。しかし、「まちづくり」というのは、こういうハードの面だけではないだろうという思いがありました。そこで、私も所属する「草の根ネットの会」が、前回のまちづくり会議で、「子どもにやさしいまちづくりをすすめるために、草加市に子どもの権利に関する条例を制定することについて」ということを、提案しました。具体的には、子どもの権利に関する条例制定に向けて、市民も参加した委員会を設置してほしいというものです。

私たちの提案に対する、市側の回答が、あさって開催される次回の「みんなでまちづくり会議」(24日、火曜日、午後7時から、中央公民館)において、報告されます。「みんなでまちづくり会議」への出席は、登録が必要ですが、登録しなくても傍聴することは出来ます。関心をお持ちの方は、是非ともご出席下さい。

「子どもにやさしいまちづくり」に向けて2007年04月30日 22時13分33秒

少し遅くなってしまいましたが、前前回のブログで書いた、「みんなでまちづくり会議」の報告です。

市側の回答は以下の通りです。

現在、草加市では、「草加市次世代育成支援行動計画」に基づき、関係各課において子どもに関する施策を進めているところです。

また、平成17年度に決定しました、「草加市人権施策推進基本方針」でも、子どもの人権も含めて、取り上げて活動してきましたが、近年の子どもに関わるさまざまな事柄をふまえ、子どもの人権を守ることは、大変重要なことだと考えているところです。

そこで、今後、提案の趣旨である「子どもにやさしいまちづくり」を進めるために、草加市に条例制定の必要性なども含めて、どのように子どもを取り巻く、より良い環境を作るべきかなどについて、幅広く議論する場を設けていきたいと考えております。

基本的には、提案を受け入れるということなのですが、これだけでは、「幅広く議論する場」とは一体どのようなものなのか、いつまでにこの「場」を作り、いつまでに結論を出すのかなど、不明です。当然、会議の場でも、こうした質問が出されました。

市側の返答は、今回はそこまで提案できなかったが、質問されたような具体的な中身については、次回の「みんなでまちづくり会議」(7月開催予定)までに明らかにする、というものでした。

具体的な動きはこれからですが、とりあえずは、一歩前進を勝ち取ることができたのではないかと思っています。

学童保育大規模化解消-国も本気か!?2007年04月30日 22時40分44秒

現在、学童保育においては、児童数の急増と学童保育の大規模化ということが大きな問題となっています。草加の民間学童における1学童あたりの平均児童数を見ると、10年前は33.6人だったのが、元気っ子クラブによる統一開始の2004年で、49.2人、今年度当初では、なんと69.9人となっています。

こうした状況に対して、国も、大規模化を解消し、適正な人数規模への移行を図るという方針を打ち出しています。71人以上の大規模クラブ(年平均児童数が71名以上の学童)については、3年間の経過措置後、規模の適正化(分割等)を図るというのが、今回の国の方針です。年平均71名以上の学童を分割するとなると、この3年間で草加でも8~10カ所程度の学童を分割(新設)していかなければならない計算となります。

国が、どこまでこの方針を本気で考えているのかなと思っていましたが、意外(?)と本気かなと思わせる文書ありました。今年3月に開かれた全国児童健全育成事務担当者会議において、各自治体から出された意見に対して答える「『放課後子どもプラン』疑義回答」です。

その中で、ある地域から、「分割を推進するにも、既存の大規模クラブ数等からして施設整備が追いつかない見通しであり、学校は少人数学級編成のため空き教室がなく(中略)大規模クラブの分割について、準備期間(3年以内)を延長する考えはないのか。」という質問が出ていましたが、国の回答は、「延長する考えはない。子どものことを考えたら、少しでも早く分割すべきである。」というものでした。

草加市においても、子どものことを最優先に考えて、早急に分割(新設)を進めていくべきです。

また、この「疑義回答」の中で、「クラブの分割とは、具体的にどのようにすればいいのか」という質問に対して、次のように答えています。

「クラブの分割とは、①小学校の余裕教室の活用などにより別の場所にもう一つクラブ室を設置する、②現在使用しているクラブ室に間仕切り等を設置する、などにより二つの部屋またはスペースを確保し、それぞれに放課後児童指導員を配置するなど放課後児童クラブとしての要件を満たして実施することである。」

専用スペースについては、次のように述べています。 「専用スペースとは、子どもが安心して静養または休息できるよう、生活の場として区切られたスペースである。なお、間仕切り等により専用スペースを確保する場合には、生活の場としての機能が十分確保されるよう留意することとし、そのため、例えば、アコーディオンカーテンや衝立により仕切ることはふさわしくないと考える。」

放課後子どもプランとの関係でも、厚生労働省としては、放課後児童健全育成事業(学童保育)をきちんと行おうと考えていることが分かる記述がいくつか見られます。この件は、また後日書きたいと思います。