「貧困」を読み解く!~16冊の推薦図書2009年04月01日 23時35分14秒

「週刊ダイヤモンド」の3月21日号が、「あなたの知らない貧困」と題して、貧困問題を特集していました。「生活保護破産」「非正規の壁」「子どもの貧困」「貧困ビジネス」「反貧困の処方箋」の5つのパートに渡って、OECD調査の結果なども含めた様々なデータに加えて独自の取材なども交えて、かなり力の入った特集となっています。

この特集の中で、「『貧困』を読み解く!」として、16冊の本を紹介していました。貧困問題を考える上で、まず何を読んだらよいのか、大変に参考になると思います。貧困問題というと、まず、「反貧困」「ルポ 貧困大国」が有名ですが、それ以外にも、是非とも読んでほしいと思う本がたくさんあります。以下に紹介します。

〈最初に読む4冊〉
  • 反貧困「滑り台社会からの脱出」  湯浅誠著 岩波新書
  • 子どもの貧困 日本の不平等を考える  阿部 彩著 岩波新書
  • 現代の貧困 ワーキングプア/ホームレス/生活保護 岩田正美  筑摩書房
  • 貧困の現場             東海林 智著 毎日新聞社
〈視野を広げる4冊〉
  • 日本でいちばん大切にしたい会社  坂本光司著 あさ出版
  • ルポ 最底辺 不安定就労と野宿  生田武志  筑摩書房
  • 失われた場を探して ロストジェネレーションの社会学  メアリー・C・ブリントン著 NTT出版
  • 子どもの最貧国・日本 学力・心身・社会に及ぶ諸影響  山野良一著 光文社新書
〈処方箋を探す4冊〉
  • 日本の貧困研究 橘木俊詔、浦川邦夫著 東京大学出版会
  • リーディングス 格差を考える  伊藤元重編 日本経済新聞社
  • ベーシック・インカム入門 無条件給付の基本所得を考える 山森 亮著 光文社新書
  • 資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言 中谷 巌著 集英社インターナショナル
〈他国に学ぶ4冊〉
  • フィンランド 豊かさのメソッド 堀内部喜子著 集英社新書
  • ルポ 貧困大国アメリカ  堤 未果著 岩波新書
  • ブータンに見せられて  今枝義郎著 岩波新書
  • フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由 横田増生著 洋泉社

私が、貧困問題で最初に読んだ本は、「子どもの最貧国・日本」でした。国際的にみて、日本の子どもたちがいかに貧困な状況に置かれているのかということを実感しました。その後、「子どもの貧困」を読み、次に「資本主義はなぜ自壊したのか」を読みました。「フィンランド 豊かさのメリット」は、貧困の問題というよりは、世界でトップレベルの学力を実現している国、「競争」ではなく、「平等」を貫き一人一人を大切にすることによって、その学力を実現している国という関心から読んでみました。「日本で一番大切にしたい会社」は、TV番組「カンブリア宮殿」でも紹介していた会社が取り上げられています。働くことの意味や企業の持つ社会的な役割などについて考えさせられます。子どもの貧困について考える上では、この16冊の他に、「子どもの貧困 子ども時代の幸せ平等のために」(浅井春夫他編 明石書店)も加えたいと思います。

まだ読んでいない本がありましたら、是非とも何冊かでも読んでいただければと思います。