本当に厳しい高校生の就職状況!2009年10月05日 23時11分43秒

ここのところあれこれと忙しく、久しぶりのブログ更新です。

忙しかった理由の一つは、9月16日から高校生の就職活動が開始し、そのあと専門学校等の推薦入試が始まったため、クラスの生徒達の進路指導、調査書や推薦書の作成などがあったからです。

就職試験の結果が、分かってきていますが、想像以上に厳しい状況です。9月10日付のブログで、高校生の就職状況についてNHKの取材を受けたと書きましたが、その段階では、まだ就職試験は始まっていませんでした。 NHKの番組では、私の学校と同時に静岡の高校も紹介され、その学校では、求人数が少なく就職試験を受けることさえできないと報じられていました。私たちの学校では、とりあえず受験する会社があるのでまだましかなと思っていましたが、とんでもありませんでした。

五十数人が受験し、現段階の合格率は約45%、半分以上の生徒が不合格となってしまいました。職種によっても違いますが、事務職関係などは、ほぼ全滅という状況です。欠席が多かった生徒や、面接試験の時にほとんどしゃべれなかったなど、落ちてしまった理由が推測できる場合もありますが、部活の部長も務め成績優秀な生徒や3年間皆勤(無遅刻無欠席無早退)でまじめにがんばってきた生徒も不合格になってしまった例もありました。本人もすっかりしょげてしまうし、こちらも本当になんと言っていいのか、切なくなってしまいます。

高校生の就職活動は、大学生と違い、同時にたくさんの会社を受けることができないので、一回目の試験で落ちてしまった生徒は、まだ職の埋まっていない会社を探すしかなく、早めに合格しないと、どんどん不利となってしまいます。毎日の様に、進路室に顔を出し、会社を探していますが、なかなか希望する会社を見つけることができません。本当に厳しい状況です。

「新総理にひとこと」の記事-情報発信が大切!2009年10月08日 22時37分45秒

すでに読まれた方もいらっしゃるかと思いますが、先月30日の朝日新聞埼玉版の「新総理にひとこと」という欄で、私が話した内容を紹介してもらっています。私が書いたような形になっていますが、実際は私が話した内容を、記者の方がまとめたものです。多少ニュアンスが違うところもありますが、短いスペースの中でよくまとめていただいた思います。分割の問題や大本の国の基準を充実してほしいというようなこともきちんと書いてもらいました。

この記事が出たあと、議員さんや他の市民団体の方からも、「新聞に載っていましたね」と言われました。先日の中央公民館まつりの際には、木下市長からも「朝日新聞の記事、読みましたよ」と声をかけられ、箇所数を増やしていくことや指導員の待遇を改善していくことなどについて少し話をしました。

新聞で取り上げられるということは、影響力があるとても大きいことだなと改めて感じました。記者の方にお礼のメールをしたら、これからも学童は話題性に欠けないと思っているので、その際は記事への協力をお願いしますというお返事をいただきました。いろんな取り組みを、積極的に発信していくことはとても大事なことだと思います。

記事の全文を以下に載せておきます。


『学童保育施設充実を』

草加市の委託を受け、市内17ヶ所の学童クラブを運営しています。

98年4月施行の改正児童福祉法で、放課後の児童を預かる学童保育が法制化されてまだ11年。

うちの学童クラブは2ヶ所を除き定員70人ですが、希望者が多いため、市と相談し、1割ほど多く受け入れています。うちの学童クラブを利用する際の入室審査(09年4月現在)では公立小などの児童1200人の27%がひとり親です。親に安心して働いてもらうために、午後7時までの時間延長も課題です。

民主党のマニフェスト(政権公約)の子ども手当を「保育料に充てられる」と喜んでいる親もいますが、支給されても預ける場所がないんです。

一つの小学校に1ヶ所では間に合わず、子ども全員に目配りができる適正規模なクラブ を数ヶ所増やしてほしい。

学童クラブは家庭の代わり。その親代わりをする指導員の賃金も安く、補助金で上乗せ していますが、大元の国の基準を充実させてほしいです。

「音のトラブル」は「煩音(はんおん)」問題-お互いの顔が見える地域づくりを2009年10月12日 20時59分57秒

先週、NHKの番組クローズアップ現代「公園がうるさい?~急増する音のトラブル」を大変興味深く見ました。これまでは全く問題にならなかったような「騒音」のトラブルが起こっているということを報じており、いろんなことを考えさせられました。

「公園がうるさい」として、市役所などには、さまざまな「苦情」が寄せられていると言います。

例えば、

「子ども達のサッカーがうるさい。」

「ローラー滑り台がうるさくて困っている。」

「ボールの音でいらいらする。」

「ラジオ体操の音がうるさい。」などなど。

中には、裁判になるケースもあります。

西東京市では、「噴水で水遊びをする音がうるさい。なのに、市は適切に対応していない。」として、住民が、噴水の利用を制限するよう仮処分を申し立てました。裁判所は、「子どもの声であっても、一定の音量を超えれば騒音になり得るのは明らか」とし、住民の主張を認め、市は子どもが遊ぶ噴水を止めたということです。

こうしたことは以前では考えられなかったことですが、これは、単なる「音」の問題ではなく、その背景に、地域の人間関係、人と人のつながりが希薄になってきていること、お互いの顔が見えない地域の現状があるということを、番組では指摘していました。

番組の中で、八戸工業大学大学院の橋本典久教授は、こうした問題は、「騒音」問題ではなく、「煩音(はんおん)」問題であると説明していました。「音」の問題だけではなく、人間関係が絡んできて心理的にうるさいと感じてしまうこと、それが「煩音」問題です。「騒音」問題に対しては、実際に「音量を下げる」ということが有効な対策であるのに対し、「煩音」問題に対しては、相手への誠意ある対応、心理的な面の対応が重要であり、顔の見える人間関係を作っていくことが大切であると語っていました。

公園の近くに長く住んでいる女性が、「最近ボール遊びの音が気になってきた」と言っていました。昔は、外で遊んでいる子ども達の顔も分かり、その親のこともよく分かっていたが、最近はマンションも増え、遊んでいる子ども達の顔も分からないし、ましてその親のことなど全く分からない。そういう中で、昔は気にならなかったボール遊びの音が、とても気になるようになってきてしまった。そんな風に言っていました。同じことをやっていて、同じ音を出していても、相手の顔が分かり、相手のことをよく理解しているかどうかで、全く受け止め方が違ってしまうということです。

最近は学校施設の中に入ったのであまり言われなくなったかもしれませんが、学童保育も、以前はよく地域の方から「うるさい」と言われました。「音」に対してだけではなく、いろんな「苦情」が寄せられることもあります。もしかしたら、それは、学童保育-そこにいる子ども達とその保護者-が、地域の中で「顔の見える関係」となっていないということなのかもしれません。地域のつながりが薄くなっているこういう時代では、特別な努力をしない限り、学童保育に限らずいろんな団体が地域の中で理解されていくということは非常に難しいのかもしれません。

学童保育を本当に理解してもらうためには、学校の中の空き教室や専用施設を利用している学童保育室の中に、どういう子ども達がいて、その親は誰なのかということが、地域の人たちに具体的に分かるような活動をしていくことが大切だろうと思います。やはり、一番大事なのは「人と人とのつながり」をどう作っていくのかということです。学童まつりなどは非常に良い機会でしょうし、稲荷児童クラブでやっている「地域清掃」なども、具体的に目に見える形での活動として評価できるのではないかと思います。いろんなやり方があるだろうと思いますが、学童としても個人としても、地域の活動などに積極的に関わり、「お互いの顔が見える地域づくり」のために、取り組んでいきたいものだと思います。

滋賀県で行われた全国学童保育研究集会に参加してきました。2009年10月29日 23時41分42秒

先週の土、日、滋賀県で行われた第44回全国学童保育研究集会に参加してきました。全国から4574名もの方々が参加し、熱気があふれ元気のもらえる研究集会でした。

分科会は、指定管理者制度の分科会に世話人として参加しました。本当は、他の人が世話人をやるはずだったのですが、参加できなくなくなりピンチヒッターとしての参加でした。当日参加して驚いたのですが、もう一人の世話人もピンチヒッターでした。こういうことが事前に分かっていれば、「もう少し準備し資料なども用意したのに・・・」と思いましたが、二人して戸惑いながらも何とか無事終えることができました。

昨年の全国研では他の分科会に出たので、指定管理者制度問題の分科会は2年ぶりの参加でした。この制度が導入された当初は、この分科会には、たくさんの参加者がありました。しかし、その後は少し参加者が減り、それぞれの地域が抱えている問題もさまざまであり、なかなか論議がかみ合わないところもあり、十分深めることができなかったというような印象がありました。

今回の分科会では、この間のそれぞれの地域での運動や実戦を踏まえ、まさに分科会のタイトルである「指定管理者制度は学童保育になじまない」という共通の想いをベースとして、これまで以上に熱の入った論議をすることができたのではないかと思います。それぞれの地域での実践、がんばりや抱えている課題などを出し合うことにより、共通の認識が形作られ論議も深まっていくんだなと実感することができました。

基本的な認識は共有されているのではないかと思いますので、今後は、それぞれの地域や実情に合わせてどのような運動を進めていったらいいのかなどについて、課題を整理し、きめ細かい論議を進めていくことが必要なのではないかと思いました。地域によっては、これから指定管理者制度が導入されるというところ、制度がすでに導入されているところ、再指定を控えているところなどさまざまあります。また、導入されているところも、指定のされ方や指定された団体の性格なども違いがあります。

これまでに、いろんな地域において、それぞれの段階、場面でさまざまな運動が行われ、貴重な成果や教訓が導き出されています。そうした成果や教訓を整理し、きちんとまとめていくということが必要であるし、そうしたまとめをすることができる段階に私たちの運動が達しているのではないかと思います。

草加からは、約40人が参加しました。昼の学習、そして夜の交流も充実していたようです。今回の全国研で得たものを、是非とも今後の実践の中で生かしてもらえたらと思います。