「大規模化」「待機児」問題の真の解消をめざして。2009年07月29日 21時12分02秒

おととい、草加市学童保育の会の会長会があり、参加してきました。この会長会の目的は、今草加市の学童保育が抱えている問題を、全体で確認し合うこと、そして、その解決のために何をしていったらよいかをみんなで探っていくということでした。

今、草加の学童保育が抱えている一番大きな問題は、なんと言っても「学童保育の大規模化の問題」であり「待機児童の問題」です。これらの問題は、草加だけでなく日本全国の学童保育が抱えている共通の問題でもありますが、草加市の状況は、より深刻です。

2009年5月現在で、全国に1万8,475カ所の学童保育室がありますが、そのうち児童数が71名以上の学童は2,137カ所です。割合で言うと11,1%となっています。草加市にある21カ所の学童のうち、71名以上の児童がいる学童12カ所もあります。割合で言うと57.1%であり、全国の平均と比べると5倍以上となっています。毎年、待機児が出て、その存在が常態化している学童、来年度は3年生からも待機児が生まれてしまうかもしれない学童もいくつかあります。東京に隣接しているという地域的な問題もあるでしょうが、草加市における「大規模化」「待機児」の問題は、他の地域と比べても極めて深刻な状況となっています。具体的には、下の表を参照して下さい。

昨年度は、学童保育の分割を進めるために、2クラス制を取っている学童保育のそれぞれのクラスに正規職員を複数配置する(2名から4名に)ということを強く要望しました。その実現のために、各父母会では、市議会議員との懇談を精力的に行ってきました。当初の要望である「2名から4名」ということは実現できませんでしたが、こうした運動の結果、今年度から、71名以上の児童がおり2クラス制を実施している学童保育には、正規指導員3名を配置するだけの予算を実現しました。

しかしながら、「大規模化」「待機児」の問題を解決するためには、施設や設備の問題、正規指導員の複数配置の実現など、まだまだたくさんの課題があります。来年度も、また、待機児が多数生まれるというような事態は、絶対に避けなければなりません。「大規模化」「待機児」問題の抜本的な解決を目指し、みんなで協力し取り組んでいきましょう。

会長会では、大規模・待機児問題以外にも、指定管理者制度、公立学童の保育の問題などについても話し合われました。


<児童数71名以上の児童クラブ>
・元気っ子クラブ運営
児童クラブ名定員児童数待機児施設クラス正規指導員数備考
川柳70772教室(水回りなし)
新田7078112教室(水回りなし)
西町7078192教室(水回りなし)
氷川70782教室(水回りあり)
瀬崎70802教室(水回りあり)
新里70792教室(水回りあり)
八幡7075専用施設
清門7073専用施設10月分室開室予定
花栗南7074専用施設(2階)
谷塚100102複合施設(2クラス)
・公営
児童クラブ名定員児童数待機児施設クラス正規指導員数備考
松原(児童館)7075児童館 
高砂130137複合施設(3クラス) 

<児童数71名未満で待機児童のいる児童クラブ>
児童クラブ名定員児童数待機児施設クラス正規指導員数備考
住吉505812児童館 

<児童数71名未満の児童クラブ>
・元気っ子クラブ運営
児童クラブ名定員児童数待機児施設クラス正規指導員数備考
青柳70542教室(水回りあり)
長栄70662教室(水回りあり)
八幡北70522教室(水回りあり)
稲荷7067専用施設×2
小山7055専用施設×2
両新田7057専用施設 
・公営
児童クラブ名定員児童数待機児施設クラス正規指導員数備考
新栄5039児童館  

*児童数・待機児童数は本年4月1日現在です。

可能なところから学童の分割を進めよう!2009年07月31日 22時19分37秒

昨日のブログ、会長会の話題に関連しての話です。

「大規模化」「待機児」問題の解消のためには、学童保育の分割を進めていくことが不可欠です。

学童保育の分割ということに関して、国は、次のように述べています。(2007年4月16日 文部科学省・厚生労働省事務連絡「『放課後子どもプラン』疑義回答」より)

クラブの分割とは、①小学校の余裕教室の活用などにより別の場所にもう1つのクラブ室を設置する、②現在利用しているクラブ室に間仕切り等を設置する、などにより2つの部屋またはスペースを確保し、それぞれに放課後児童指導員を配置するなど放課後児童クラブとしての要件を満たして実施することである。

「分割」と言えば、多くの人は、「別の場所にもう一つのクラブ室を設置する」という上記①意味でとらえるのが普通だろうと思います。しかし、国の考えでは、②の間仕切り等で仕切られた「2つの部屋またはスペース」であっても、「放課後児童指導員を配置するなど放課後児童クラブとしての要件を満たして」いれば、「クラブの分割」と認めるとしています。具体的にどのような施設や設備が必要であるかということについては、国は、明確な基準を示していません。

草加市では、今年度4月現在で、21学童中8学童で待機児がありました。「大規模化」と「待機児」の問題を解決していくためには、可能なところから分割を進めていくしかありません。施設的な問題から、すぐには分割が難しいところ もありますが、出来るところから、まず着手していくという姿勢が必要だと思います。

現在元気っ子クラブが運営している学童の多くは、定員が70名で、受け入れの上限は80名(緊急枠を含む)となっています。2教室利用の学童において、それぞれの教室を1学童とすれば、それぞれの学童の定員を40名とし、受け入れの上限を90名程度とすることも出来ると思います。その際、どういう条件が整えば、2学童として運営することが出来るのかということについて、父母会や指導員会で話し合い、合意を作っていくことが必要です。

残念ながら、草加市は、現段階では1小学校区に複数の学童を設置するということを認めていません。「大規模化」「待機児」の問題を解決していくための第一歩として、草加市にも強く働きかけ、条件が整ったところから何としても2学童を実現していきたいと思います。