「学童保育と指定管理者制度を考えるシンポジウム」に参加を! ― 2010年05月02日 22時23分43秒
ここのところ本業(高校の教員)の方がとても忙しく、久しぶりのブログ更新です。前回の更新を見たら3月30日でしたので、まるまる一月間更新をしなかったことになります。
今年3月に卒業生を出し、1年くらいは副担任でのんびりできるかと思いましたが、4月から新1年の学年主任となってしまいました。年度末から新年度に向けた仕事が始まり、入学式後は、朝7時半くらいには学校に行き夜9時近くまで学校に残っているという日がずっと続いていました。月末には、部活(卓球部)の大会もあり、さすがに疲れてしまいました。連休に入り、ちょっと一段落というところです。(とは言っても、毎日部活で学校に行ってはいますが。)
さて、今日は、県連協のシンポジウムのお知らせです。すでに、県連協からちらしが配付されご覧になった方もいるかと思いますが、6月13日(日)に、「学童保育と指定管理者制度を考えるシンポジウム」(於:上尾市文化センター、13:15~17:00)が開催されます。シンポジストとして、福岡県宗像市の森本さん(福岡県連協の会長)と八王子市の野村さん(八王子市連協の副会長)が参加します。
宗像市では、30年以上にわたって父母が中心となって宗像市学童保育連合会が学童保育を運営してきました。しかし、2006年に指定管理者制度が導入され、昨年の再指定で、これまでの連合会に替わって株式会社テノ.コーポレーションが指定管理者に選ばれてしまいました。八王子市では、64カ所の学童保育室に指定管理者制度が導入され、株式会社も含めて9つの団体が指定管理者となっています。そのうち40カ所を社会福祉協議会が運営していますが、学童保育事業からの撤退を表明しており、来年4月からの運営者がどうなるのかという不安を抱えています。
1997年に法制化されたばかりという大変に遅れた施策である学童保育は、父母会やNPOなどによる運営の場合には、行政側が父母やNPOなどと一緒に学童保育を作っていくという「協働」の立場に立たない限りうまくいくはずはありません。「指定管理者制度」は、そもそも「協働」という観点とは全くかけ離れた発想で作られたものですから、行政側と父母側がどんなに協力し合っていたとしてもいろいろと問題が出てきます。
もし、行政側が理解がなかったり、悪意を持ってこの制度を利用したらいったいどんなことが起こるのか。その危険性をリアルに示してくれるのが、今回のシンポジウムの二つの地域の報告だと思います。参加費として500円かかりますが、遠くから報告者を招待しているということでご理解頂き、多くの方に参加してもらいたいシンポジウムです。
このシンポのチラシについては、次のページでご覧下さい。
6月13日シンポジウムちらし埼玉県学童保育研究集会に参加して ― 2010年05月31日 22時36分54秒
きのうの午前中は、川越まで行って、「埼玉県学童保育研究集会」に参加してきました。当初は一日最後まで参加する予定でしたが、職場の同僚が急逝し、お通夜があったため、午前中の全体会だけの参加でした。
全体会の記念講演は、立命館大学の春日井俊之先生の講演でした。春日井先生の言う「臨床教育学」的な態度~常に子どもの声に耳を傾け、子どもの心に寄り添い、その成長を温かく励まし続けていくという態度~というものは、現在の教育や学童保育において、とても重要であると思います。
学校現場では、いまめちゃくちゃな論理が公然と押しつけられてきています。 「『学力』が低下しているから、もっと『競争』させなければならない。」「『規範意識』が低下しているから、もっとしっかりとした『規律』を身につけさせなければならない」「『道徳』をちゃんと教え込まなければならない。」こうしたことが声だかに叫ばれています。
こうした中で、教員に対しては、「子どもを丸ごと受け止め、一人ひとりを大切にする」などといった「抽象的」なことではなく、「具体的な数値目標を掲げろ」ということが強調されています。例えば、「遅刻を一日あたり2人以下にする」とか「問題行動を前年より20%減らす」などという目標を出すことが、正しい「教育目標」であるとされています。
多くの教員・指導員が実感しているように、「問題行動」が起きたということは、たいていの場合は、問題が顕在化し子ども達の中に指導を入れていく絶好のチャンスです。そういう指導を行うことによって、その「問題行動」を克服し、より高い質の集団を作っていくことができます。その指導の結果として、遅刻が減ったり問題行動が減ることはあるかもしれませんが、それはあくまで指導の結果であって、最初から「減らす」ということを目標に掲げているのでは、本末転倒です。
言葉の上だけでなく、「常に子どもの声に耳を傾け、子どもの心に寄り添い、その成長を温かく励まし続けていくという」ことを、まさに自らの血肉として、当然のこととして日々実践していくことができるかどうかが、私たち教員・指導員に問われています。
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