子どもの権利条約に関する学習会2008年07月04日 19時03分34秒

子どもの権利条約に関する学習会のお知らせです。今年、4月に、子どもの権利条約に関する第3回目の政府報告が提出されましたが、その中身について学習しようという企画です。


7月19日(土)   14時~16時半
埼玉県労働会館1階第16会議室
参加費 500円

問題提起

1.政府報告書全般について
    林 量俶 (埼玉大学教授)

2.政府報告書・子どもの犯罪と少年法について
    設楽あづさ(弁護士) 

  

条約に基づいて、国は、国連に対して条約の実施状況党について報告する義務を負っています。これまでに2回報告を行い、それに対する、国連・子どもの権利委員会の総括所見も発表されています。本来ならば、2006年5月までに、第3回目の報告を出さなければならなかったわけですが、2年近く遅れての提出となりました。

第2回目の政府報告に対する国典・子どもの権利委員会の総括所見では、第一回目でも指摘されていた、「差別の禁止、学校制度の過度に競争的な性質、いじめを含む学校での暴力関する勧告」が十分に改善されておらず、第2回目でも同じ指摘を行わざるを得なかったとしています。

また、以下のような点にも懸念を表明していました。

「0~18歳のすべての子どもを対象とした、条約のすべての領域に関する包括的なデータが存在しないこと」 「児童虐待の防止のための包括的かつ分野横断的な戦略が存在しないこと」 「若者の自殺率がますます高くなっていること。自殺および自殺未遂ならびにその原因に関する質的および量的データが存在しないこと」

第2回目の総括所見で指摘されたこうした点について、今回の第3回目の政府報告でどのように答えているのかが注目されるところです。

指定管理者制度-最近の情報から2008年07月28日 18時11分42秒

指定管理者制度に関する、最近のいくつかの情報についてです。

一つは、 本年6月6日付けの、各都道府県知事宛に出された総務事務次官名通知「平成20年度地方財政運営について」です。これは、全体で50ページ近くに及び、地方財政運営全般に関して、かなり細かく述べてある通知です。この中で、特に一項を設けて指定管理者制度の運用に関して触れています。

該当の箇所は、「第一 財政運営の基本的事項 4 地方分権改革、市町村合併及び行政改革の推進等」というところで、その中の一項目として以下のように述べています。


指定管理者制度の運用

平成15年度に導入された指定管理者制度は、導入後5年を経過し新たな指定管理者の選定に入ろうとしている団体が多いと見込まれるところであり、運用に当たっては以下の事項に留意し、その在り方について検証及び見直しを行われたい。

ア 指定管理者の選定の際の基準設定に当たっては、公共サービスの水準の確保という観点が重要であること。

イ 指定管理者の適切な評価を行うに当たっては、当該施設の態様に応じ、公共サービスについて専門的知見を有する外部有識者等の視点を導入することが重要であること。

ウ 指定管理者との協定等には、施設の種別に応じた必要な体制に関する事項、リスク分担に関する事項、損害賠償責任保険等の加入に関する事項等の具体的事項をあらかじめ盛り込むことが望ましいこと。また、委託料については、適切な積算に基づくものであること。


公共サービスの水準の確保という観点が重要」であるということを、真っ先にあげているのは、この間指定取り消しや辞退といった様々な問題が出ていることを受けてのことではないかと思われます。あえて、「公共サービスの水準の確保」ということを強調しなければならないほど、各自治体において様々な問題が生じているということかもしれません。また、委託料についても、「適切な積算に基づくものであること」と強調しています。「安かろう悪かろう」では、困るということを懸念しての文言かと思われます。



もう一つは、社会教育法の改正に関連した、本年6月3日の、参議院文教・科学委員会での論議です。学童保育ではなく、図書館に関する指定管理者制度についての質問です。民主党の植松恵美子議員が、以下のような質問を行いました。


「指定管理者制度は数年ごとの契約更新ですので、契約する会社が安定した長期雇用が保障されないため短期的に職員の入れ替わりによる弊害が生じているようですけれども、文科省としてはこの実態をきちっと把握されておりますでしょうか。そして、把握されているとすれば、どういった御認識を持っていらっしゃるか。また、今後どうあるべきであると考えているか、お答えください。」



この質問に対して、文部科学大臣が以下のように答えました。



「公立図書館への指定管理者制度の導入率というのはまだ一・八%なんですね。その最大の理由は、やっぱり今御指摘がございました、大体指定期間が短期であるために、五年ぐらいと聞いておりますが、長期的視野に立った運営というものが図書館ということになじまないというか難しいということ、また職員の研修機会の確保や後継者の育成等の機会が難しくなる、こういう問題が指摘されておるわけでございます。やっぱりなじまないということで一・八%なのかなというふうに私は受け止めております。」



このあと大臣は、決定するのは自治体であり、国は口出しできない、もし、図書館に指定管理者制度を導入するということであれば、こうして点について懸念が起こらないようにしてもらった上で導入をすることが大事である、ということを述べています。従って、この発言は、図書館への指定管理者制度導入自体をやめろと述べたものではありません。しかし、文部科学省の大臣が、「図書館への導入率が低いのは、図書館が指定管理者制度になじまないからだ」という認識を、公の場ではっきりと述べたということは、非常に重要なことではないかと思います。

どこの自治体でも、これから再指定が始まり、いろんな問題が顕在化してくるのではないかと思われます。さまざまな地域や団体などで、指定管理者制度を見直していこうという声が大きく広がっていくことを期待しています。