代表理事としての「新年のごあいさつ」(元気っ子ニュース原稿)2012年01月12日 22時53分14秒

1月22日発行予定の「元気っ子ニュース」に載せる、代表理事としての「新年のごあいさつ」です。お読み頂ければ幸いです。

新年あけましておめでとうございます。

元気っ子クラブの運営を支えているのは、各父母会の活動です。各学童において、子ども達の豊かな放課後の生活を保障していくために保護者と指導員がともに手を取り合って活動していくことで、草加の学童保育の運営は成り立っています。学童保育の大規模化が急速に進行したこと、社会状況の変化の中で保護者の労働環境などが大きく変わってしまったことなどにより、各父母会の活動もさまざまな困難を抱えていることと思います。こうした中でも、昨年1年間、各学童において、理事さんや父母会長さん、役員さん、指導員たちが協力し合い、各学童の運営を支えて頂きましたことに、心より感謝申し上げます。


〈震災を絶対に忘れない〉

さて、昨年1年間を振り返ったときに、絶対に忘れてはならないのは、東日本大震災とそれに続く福島第一原発事故によってもたらされた未曾有の大災害のことです。

草加でも震災当日は、公共交通機関がほとんどがストップし、電話もほとんどつながりませんでした。学校との関係でも、誰が引き取るのかなど混乱もありました。元気っ子運営の17児童クラブで、最後の児童を保護者に引き渡したのは、夜11時過ぎでした。

幸いなことに、草加市の学童保育では、施設の被害も人的な被害もありませんでした。この間、草加市が施設の整備を計画的に進めてくれたこと、それぞれの学童において指導員が子ども達のことを第一に考えて、責任を持って保育にあたってくれたことによるものだと思います。心から感謝したいと思います。

時が経ち、毎日の平穏な生活を送る中で、私達は震災のことを忘れてしまいがちです。しかし、一瞬にして命を奪われてしまった多くの命、そして多くのものを失った生き残った者の深い悲しみを、決して忘れてはいけないと思います。


〈復興への課題は多い〉

大震災直後、自らが被災しているのに被災者同士が助け合っている姿、お互いのことを思いやり整然と避難所での生活を送っている姿などが、全世界に感動を与えました。しかし、復興への道はまだまだ遠いというのが現実です。震災を生きのびることができたにも関わらず、さまざまな理由から、自ら死を選んだ人も多数います。街の復興ということだけでなく、被害にあわれた方を精神的にどう支えていくのかということも大きな課題となっています。

大震災とその後に起きた原発事故が、死者行方不明者を2万人近くだしたこと。住み慣れた土地を離れ避難生活をしなければならない人が、現在でも30万人を超えていること。親を亡くした子どもが1567人もいること。そのうち両親を亡くした子どもが240人もいること。私たちは、まず、こうしたことを絶対に忘れてはいけないと思います。被災地の復興や支援のために何ができるのかを考え、自分たちのできる精一杯のことをやっていくことが大切だと思います。


〈たしかな人と人とのつながりを〉

大震災は、どうやったら安全で安心できるまちを作っていくことができるのかという課題を私たちに突きつけました。耐震化を進めることや防災拠点の整備、防災マニュアルや緊急時の対応の見直しなどは、当然必要なことだろうと思います。しかし、同時に大切なことは、地域の中に確かな人と人とのつながりを作っていくということではないでしょうか。

どこに誰が住んでいて、どこに足のご不自由な方がいらっしゃるとか、小さなお子さんを抱えているご家庭がどこにいらっしゃるかということなどは、その地域に住んでいる人が一番よく知っているわけです。行政は行政として災害に強いまちづくりを進めてもらうということが必要です。私たちにできることは、地域の中に、きめ細やかな人と人とのネットワークを作っていくということが大切なのではないかと思います。学童保育の父母会活動も、地域の中で人と人とのつながりを作っていくための大切な活動の一環であると言えるのではないでしょうか。

草加市にも被災地から避難されてきた方がいらっしゃいます。その中には、元気っ子の指導員として元気に働いている方もいらっしゃいます。お子さんを、元気っ子運営の学童に預けていらっしゃる方、この4月から預ける予定であるという方もいらっしゃいます。住み慣れた土地を離れるということは本当に辛いことです。その喪失感というのは、言葉では言い表せないくらいに大きいことだろうと思います。こうした方々のお気持ちをきちんと受け止め、草加に来て本当に良かったと思って頂けるような温かい人と人とのつながりをさらに作っていくことができればと願っています。

元気っ子クラブとしても、震災の教訓を踏まえ、地域の方々とも協力しながら草加の子ども達の安全と安心を守り、豊かな放課後の生活を作っていくことに、これまで以上に真剣に取りくんでいこうと決意しています。

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