OECD「図表で見る教育」(2010年版)~Education at a Glance 2010~が発表されました。2010年09月08日 22時58分35秒

新聞などでも報道されていますが、昨日、OECDが毎年発行している「図表で見る教育」の2010年版(Education at a Glance 2010)が発表されました。

日本は、他のOECD諸国と比べて、教育に対する公的な支出が非常に少ないということで有名です。今回の2010年版でも、こうした傾向は変わっていません。いくつかの指標を紹介します。

〈教育機関への公財政支出(対GDP比、全教育段階)〉

OECD諸国の平均が5.2%なのに対し、日本はわずか3.4%であり、OECD加盟国(28カ国)の中で、最下位となっています。これは、2007年の数字です。2000年は、OECD平均が5.1%、日本が3.6%でしたから、OECD全体では、微増したにもかかわらず、日本は逆に下がってしまいました。お隣の韓国は、2000年は、3.7%と、日本と大差ありませんでしたが、今回は4.3%へと増えています。

〈教育支出の公費負担割合〉

日本は、教育支出の中で、私費負担が非常に多いことで有名です。今回の調査では、全教育段階で見ると、日本は、公財政の比率が66.7%、私費負担の割合が33.3%となっています。OECD加盟国(24カ国)の中で、4番目に私費負担が多い国となっています。OECD加盟国の平均は、公財政の比率が82.6%、私費負担が17.4%となっています。

OECD加盟国の中で、公財政の比率が90%を超えている国は、10カ国(オーストラリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、アイスランド、イタリア、ポーランド、ポルトガル、スウェーデン)もあります。

高等教育(高校卒業後の教育)では、日本の公財政比率は32.5%、私費負担は67.5%と、さらに私費負担が大きくなっています。(OECD加盟国の平均は、公財政が69.1%、私費負担が30.9%。)

〈一般政府総支出に占める公財政教育支出の割合〉

簡単に言えば、政府予算の中での教育予算の割合ということです。日本は、わずか9.4%です。OECD加盟国(28カ国)の平均は13.3%であり、日本は、28カ国中27位となっています。これも、2007年の数字です。2000年は、日本が9.5%、OECD加盟国の平均が13.0%でした。OECD平均は増えているにもかかわらず、ここでも日本はその数字を減らしています。

〈クラスサイズ〉

OECD諸国の平均は、小学校段階で21.6人、中学校段階で23.7人となっています。日本は、これよりもはるかに多く、小学校段階で28.0人、中学校段階で33.0人となっています。OECD加盟国で、日本よりもクラスサイズが大きい国は、小学校段階では、韓国(30.0人)とチリ(30.3人)の2カ国のみ、中学校段階では、韓国(35.3人)しかありません。

"Education at a Glance 2010"の中で使われている図表の元データは、以下のページで見ることができます。このページの下にData欄がありますので、それぞれの項目をクリックすると、エクセルでデータを見ることができます。エクセルファイルですので、いろいろに加工することもできます。

"Education at a Glance 2010"

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