20歳代女性の3人に1人は「本気で自殺を考えた」ことがあるという日本の社会!2012年05月05日 16時40分38秒

最近、気になったTV番組、新聞のニュースがいくつかあります。

 ①クローズアップ現代「やめさせてくれない ~急増する退職トラブル~」
 ②NHKハートネットTV カキコミ! 深層リサーチ 女性の貧困(1)(2)
 ③内閣府が5月2日に発表した「自殺対策に関する意識調査」

今、全労働者の中でパートやアルバイト、派遣社員など、身分が不安定な「非正規労働者」が、実に三分の一以上となっています。私達は、生徒に「正規での雇用」に就くようにと指導していますが、①のクローズアップ現代は、いま正規雇用者が退職したくても、「会社が辞めさせてくれない」という労働相談が増えているということを取り上げたものです。

退職する権利は法律で守られています。基本的には退職を会社に通告し2週間経てば、会社側の同意なしに退職(労働契約の解除)は成立します。しかし、会社側が失業保険の申請に必要な「離職票」を出さない、「やめたら、研修などで投資した額や、営業で出た損失を損害賠償請求する」という脅しをかけるなど、トラブルに発展するケースが相次いでいるというのです。都合良く働き続ける社員を手放さない企業の姿、働く者の権利が完全に無視されている実態が本当に恐ろしいと思いました。

②のハートネットTVは、「20歳~64歳の単身女性の3人に1人は貧困状態」というある研究機関の分析結果を受け作成された番組です。カキコミ板で「貧困」について投げかけたところ、切実な声が次々と集まったということです。昨今の、特に女性にとって厳しい就職状況を考えれば、ある意味、当然予想が出来たことなのかもしれません。

「収入の低い派遣の仕事ばかりで将来が不安」「職場のストレスで心身のバランスを崩し、働けない」「お金がないから友達づきあいもできない」などの声がたくさん寄せられたということです。深刻となっている「現代の貧困」の実態に迫っています。

③の内閣府の調査によると、「今までに本気で自殺したいと思ったことがあるか」という問いに、「ある」と答えた人が23.4%にものぼっています(4年前の調査に比べ+4.3)。特に20歳代女性は33・6%(3人に1人以上)と、前回調査(21・8%)から大幅に増えています。②の番組と共に、今の若い女性の置かれている深刻な状況がうかがえます。

年代別では20歳代が最も高く28.4%(前回比+3.8)、次が40歳代で27.8%(前回比+8.7と大幅増)となっています。40歳代の増加率高いのは、不況で中高年のリストラが進んでいるということが原因なのかもしれません。

今の日本が、まじめに働いても必ずしも報われるとは限らない社会、働く者の権利がきちんと守られていない社会であるということが、共通した背景にあるのではないかと思います。先日、関越道で7名の死亡者を出すという痛ましいバス事故がありましたが、経費の削減ではなく、何よりも安全を大切にし、働く者の権利をきちんと守るということが徹底されていたら起きなかったのではないかと思います。

子ども達の明るい未来を実現していくためにも、次代に責任を持つ一人の大人として指導員や教師自身が、きちんと働く者の権利が守られる社会つくっていくための努力を真剣に行っていかなければならないと思います。今、曲がりなりにも、産休や育休、年休などの権利が保障されているのは、先輩達の長い運動の歴史があるからです。働きやすい職場を作るために一人ひとりが努力すること、そのために、声を上げていくということが大切なのだと思います。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://genkikko-koike.asablo.jp/blog/2012/05/05/6435407/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。