安全な被曝線量は?2011年09月01日 22時35分33秒

8月30日に行われた、拡大理事会において、放射線に関する質問がありました。現在、草加市が、市内の小中学校、保育園、公園などにおいて放射線の測定を行っていますが、「草加市の東部、草加公園などの地域において、放射線量が高い。学童の行事などを行って安全なのか」ということです。

専門家ではありませんので、どこまで正確かは分かりませんが、私なりに調べてみました。

文部科学省は、当初、「暫定的」という表現ながら、学校の校庭・校舎の利用に関して、放射線量の基準について次のように述べていました。

「児童生徒等が学校等に通える地域においては、非常事態収束後の参考レベルの1-20mSv/年を学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安とし、今後できる限り、児童生徒等の受ける線量を減らしていくことが適切であると考えられる。

また、児童生徒等の受ける線量を考慮する上で、16時間の屋内(木造)、8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると、20mSv/年に到達する空間線量率は、屋外3.8μSv/時間、屋内木造1.52μSv/時間である。したがって、これを下回る学校等では、児童生徒等が平常どおりの活動によって受ける線量が20mSv/年を超えることはないと考えられる。また、学校等での生活は校舎・園舎内で過ごす割合が相当を占めるため、学校等の校庭・園庭において3.8μSv/時間以上を示した場合においても、校舎・園舎内での活動を中心とする生活を確保することなどにより、児童生徒等の受ける線量が20mSv/年を超えることはないと考えられる。」

(「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」平成23年4月19日)

上で言っていることを整理すると次のようになります。

①被曝の上限は、年間20mSv(ミリシーベルト)。

②16時間の屋内(木造)、8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると、年間20mSvに到達する空間線量率は、屋外で毎時3.8μSv(マイクロシーベルト)、屋内木造で毎時1.52μSvであり、これが上限値。

国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告している平常時の年間放射線量の限度は1mSvとされており、この「年間20mSv」は、あまりに高すぎるという批判があり、文科省は、のちに、学校において生徒が受ける総被曝量として年間1mSvを目指すとしています。ちなみに、「年間20mSv」という数字は、放射線業務従事者の年間線量限度と同じです。

また、ICRPが勧告している上限1mSvには、自然界からうける自然放射線を含めていません。日本人一人あたり年間平均で1.48mSvの自然放射線を受けていると言われていますので、これを加味すると、上限年間2.48mSvというのが一つの基準として出てくるのではないかと思います。きりが良いように2.0mSvと考えると、文科省の基準の約十分の一を上限と考えればいいのではないかと思われます。

文科省が考える生活パターン(16時間の木造屋内、8時間の屋外活動)と同じと考えると、屋外で毎時0.38μSv(マイクロシーベルト)、屋内木造で毎時0.152μSv(マイクロシーベルト)というのが上限値となるのではないかと思います。(この数字までOKということではなく、当然、低ければ低いに越したことはありません。)

きのうの新聞によると、お隣の八潮市では、「子どもの生活空間で平均値が毎時0.2μSv(マイクロシーベルト)を越えた施設」5カ所(小学校や保育園などの教育施設で、公園などは対象としていないようです)に関しては、汚染土の除去を行ったということです。古新田保育所で、毎時0.361μSv(マイクロシーベルト)が0.141μSv(マイクロシーベルト)に下がったとしています。

現段階において、草加市内の小中学校の校庭、公園で、0.2μSv(マイクロシーベルト)を越えているのは、花栗中(地上5㎝で0.21μSv)、草加公園芝生(地上5㎝で0.2μSv)、花栗南グラウンド(地上5㎝で0.2μSv)の3カ所です。

汚染度の除去を行った方が良いのかどうかは微妙なところで何とも言えませんが、数時間そこで遊ぶという程度ならば、それほど神経質にならなくてもよい数字ではないかと思います。

以上は、素人なりの考察です。もし、専門的な知識をお持ちの方がいらっしゃいましたら、いろいろ教えて頂ければと思います。

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